うつ病から再就職は難しい?ハローワークを活用し再就職を成功させる方法

ブランク

「そろそろ働きたい」と思っても、「病気を理由に採用してもらえないのでは?」とうつ病による長い空白期間(ブランク)がハードルに感じて立ち止まってしまう方は少なくありません。

「ブランクがあっても採用されるのか?」「面接でどう説明すればいいのか?」

この記事では、うつ病からの再就職を成功させるための具体的なステップと、強力な味方となるハローワークの活用術を解説します。


ハローワークとは?

ハローワーク(公共職業安定所)は、厚生労働省が運営する国営の就職支援機関です。

一言でいえば「仕事を探している人」と「人を雇いたい企業」を無料でつなぐマッチング施設ですが、単なる求人紹介にとどまらず、雇用のセーフティネットとしての役割も担っています。

ハローワークを利用する為の条件はなく、正社員希望やパートタイム希望、病気や障がいをもっている方など老若男女問わず利用することができます。


提供される主なサポート内容は以下の通りです。

  1. 求人情報の閲覧
    全国最大級の求人データベースから、自分に合った仕事の検索・紹介・応募手続きがすべて無料で受けられます。

  2. 就活サポート
    プロの相談員による個別カウンセリング、履歴書の添削、面接練習など、内定を得るための実戦的な指導が受けられます。

  3. スキルアップ(職業訓練)
    事務・IT・介護などの専門スキルを無料で学べる「ハロートレーニング」の案内や受講手続きができます。

  4. お金のセーフティネット
    失業した際の手当(失業保険)や、育児・介護休業時の給付金など、生活を守るための公的給付の手続き窓口です。

再就職の強い味方「ハローワーク」の具体的な活用術

ハローワークは単なる求人検索の場ではありません。
うつ病からの復帰において、強力な味方となります

専門援助窓口(障がい者専用窓口)で受けられるサービス

一般の窓口ではなく、「専門援助窓口」を利用してみてください。
ここには障がい者雇用に精通した相談員が配置されており、うつ病の特性を理解した上でアドバイスがもらえます。

診断書や障がい者手帳がなくても、医師の意見書など
があれば配慮が必要な求職者として登録可能です。

1. 専門スタッフによるきめ細かな相談

  • 個別カウンセリング
    障がいの種類(身体・知的・精神・発達・難病など)や程度、体調、得意・不得意を踏まえた上で、どのような働き方ができるかを一緒に考えます。

  • 障がい者専用求人の紹介
    企業が「障がい者雇用枠」として出している求人を紹介してもらえます。これらは、業務内容や通院、休憩などへの配慮が前提となっている求人です。

2. 就職活動の直接的なバックアップ

  • 応募書類・面接の工夫
    自分の障がい特性をどう企業に伝えるか(ナビゲーションブックの作成など)の相談や、配慮してほしい事項の整理をサポートしてくれます。

  • 面接への同行
    必要に応じて、ハローワークの職員が面接に同行し、企業側へ配慮事項の説明を補足してくれる場合があります。

3. 就労に向けた「準備」と「実習」

  • 職場実習の調整
    実際に働く前に、数日間その企業で仕事を体験する「職場実習」の調整を行ってくれます。

  • トライアル雇用
    3ヶ月程度の試行雇用を経て、常用雇用への移行を目指す制度を提案してくれます。

4. 専門機関とのネットワーク

ハローワークだけで解決せず、地域の専門機関と連携してチームで支えてくれます。

  • 地域障がい者職業センター
    作業能力の評価や、職場適応のための「ジョブコーチ」派遣を依頼します。

  • 障がい者就業・生活支援センター
    仕事面だけでなく、生活習慣や金銭管理など「生活面」のサポートが必要な場合に連携します。

5. 就職後のフォロー

  • 就職して終わりではなく、長く働き続けられるように、職場でのトラブルや不安について電話や訪問で相談に乗ってくれます。

再就職活動を始める前に確認すべき4つのポイント

焦って就職活動を始めても、再び体調を崩しては元も子もありません。
まずは以下の4点を確認して、再就職への順序を確認しましょう。

  • 治療に専念し、症状を安定させる
    再就職するうえでまず大事なのがうつ病の症状を安定させることです。
    自分で勝手に判断するのではなく、主治医やカウンセラーの話を聞き、医学的な見地から「働ける状態である」という診断書や意見書をもらうことが必要です。
    働いてない自分自身に焦りや不安があるかもしれませんが、焦らず心と体の回復に専念しましょう。

  • 生活リズムの安定
    症状が安定したとしてもすぐ再就職を目指すのは望ましいとはいえません。
    安定してすぐの状態で再就職すると、心身に大きな負担がかかる場合があるためです。安定していたはずの症状が悪化し、回復するのに更に長い時間が掛かる可能性があります。
    まずは決まった時間に起きる、軽い運動をするなど生活リズムを安定させ、体の調子を整えていく所から始めていきましょう。

  • 再就職活動を始める
    体調と症状が安定したら、ハローワークや就職支援サイトの求人への応募や履歴書、職務経歴書の作成などを行い、治療も続けながら転職活動を開始しましょう。
    障がい者手帳を取得している場合は、障がい者雇用枠での再就職という選択肢もあります。障がい者雇用では、配慮やサポートが得やすく、通常ルートよりも安心して働ける環境で就労することができます。

  • 再発をさせないために無理をしない
    再就職した後は、何よりも再発を防ぐことが大切です。
    残業や休日出勤を避け、十分な休養を意識し、無理をしない働き方をしましょう。
    もちろん治療の継続も忘れてはいけません。
    また障がい者雇用での採用であれば、働いている企業から配慮が得やすく、より再発リスクを抑えることができます。

「ブランク=門前払い」は思い込み?企業の懸念を安心に変える

「ブランクがあるから門前払いされる」というのは、思い込みに近い側面があります。

  • 精神障がい者の就職件数の増加傾向にある
    厚生労働省の調査によると、ハローワークを通じた精神障がい者の就職件数は、ここ10年で30,980件と大幅に増加しています。企業側の理解も進んでおり、「ブランクの長さ」そのものよりも「現在は安定して働けるか」が重視されます。

    令和6年度 ハローワークを通じた障がい者の職業紹介状況等

  • 企業が考えるリスクへの対処
    企業はブランク期間を「怠慢」ではなく「療養に必要な期間」と捉えています。
    大切なのは、ブランクを経て「現在はどのようにセルフケアができているか」ということです。

    きちんと説明することで、急な「休職」「退職」といった企業側が懸念するリスクを減らすことができます。

ハローワーク以外で受けられる就労支援

ハローワーク以外の就労支援は以下のものがあります。
これらのサービスを並行して受けることでさらに手厚い支援を受けることができます。

① リワーク(職場復帰支援)プログラム

  • 実施場所
    精神科・心療内科(デイケア)、地域障がい者職業センター
  • 内容:
    • オフィスワーク訓練
      パソコン作業や軽作業を行い、集中力の持続時間を確認することができます。

    • 心理教育
      うつ病のメカニズムを学び、自分のストレスサイン(眠れない、イライラするなど)に気づく訓練です。

    • 認知行動療法(CBT)
      「〜すべき」といった思考の偏りを修正し、再発しにくい考え方を身につけることができます。

医療従事者(医師、看護師、作業療法士)の下で訓練できるため、急に体調が悪くなったりした場合の対応がスムーズです。

一般社団法人 日本うつ病リワーク協会

② 就労移行支援事業所(民間サービス)

「ブランクが長く、働く自信を失っている」という方におすすめする、障がい者総合支援法に基づくサービスです。

  • 対象
    18歳以上65歳未満で、一般企業への就職を希望する方(障がい者手帳がなくても、医師の診断書等で利用可能なケースが多くあります)

  • 利用期間
    原則は2年(24ヶ月)
    延長の必要性が認められれば、最大1年間(12ヶ月)の延長が可能です。
    ただし延長には、市区町村への申請、審査が必要です。

  • 強力な4つのサポート:
    1. スキルなどの習得
      就職時に必要となるスキルやビジネスマナー等を習得するための能力向上を目指すカリキュラムがあります。また、トレーニングを通して障がいに対する理解や職業理解を深め、自分のやりたい仕事・できる仕事を見つけるサポートを行います。

    2. 就職活動支援
      履歴書・職務経歴書の添削や、あなたに合った企業の開拓をスタッフが共に行います。また面接へ同行したり、就職に関する対策や相談に乗ったりすることも可能です。

    3. 企業インターン
      実際の企業で数日間働いてみる「体験実習」が可能です。これにより、面接だけではわからない「現場の相性」を確認することができます。

    4. 職場定着支援
      就職後もスタッフが企業とあなたの間に入り、業務量の調整やトラブルの解決をサポートしてくれます。

  • 費用
    費用は「1回いくら」という計算ですが、世帯(本人と配偶者)の前年所得に応じて、ひと月に支払う上限額が決まっています。
所得区分世帯の収入状況月の負担上限額
生活保護生活保護受給世帯0円
低所得市町村民税非課税世帯0円
一般1市町村民税課税世帯
※おおよそ世帯年収がおよそ600万〜670万円以下の世帯
9,300円
一般2上記以外37,200円

各都道府県や地域ごとに様々な事業所があります。

以下のサイトで検索すると自宅の近くやより自分に合った所を探すことができます。

LITALICO仕事ナビ


うつ病によるブランク期間を履歴書・面接でどう説明する?


うつ病によるブランク期間は、隠すべき「欠点」ではなく、適切に説明すべき「事実」です。採用担当者が懸念するのは「ブランクの長さ」そのものではなく、「採用した後に、またすぐに体調を崩して辞めてしまわないか?」という点だからです。

① 履歴書の書き方のコツ

ブランク期間を隠したい、病気を隠したい気持ちもあると思いますが、履歴書に嘘を書くことは「経歴詐称」になってしまう為してはいけません。
しっかりと「療養のため」と記載するのが誠実です。

  • 基本の書き方
    職歴欄の最後に、
令和〇年〇月〜令和〇年〇月 疾病療養の専念するため退職
現在は寛解し、主治医より就労許可を得ております。

などと正直に記載しましょう。

  • 「自己PR」での補足
    「療養期間中は、自身の体調管理能力を磨く期間と捉え、規則正しい生活とストレス対処法を習得しました」などと付け加えることで、病状を改善させるために努力をしていた「自己成長の期間」とアピールすることができます。

② 面接での「伝え方」のコツ

ネガティブな「事実」をポジティブに変換するために、「原因」と「対策」をしっかりと面接官に説明できるようにしましょう。

  • 回答例
「休職期間中はうつ病の療養にあてておりました。以前は責任感から一人で抱え込みすぎてしまう面がありましたが、療養中に『周囲へ適切に相談すること』の重要性を学びました。現在は主治医の指導のもと、自身のストレスサインを把握し、毎日〇kmのウォーキングを行うなど自己管理を徹底しております。この◯ヶ月間、体調は非常に安定しており、業務に支障はございません。」

まとめ

うつ病を経験し、ブランクがあることは、決してキャリアの「終わり」ではありません。むしろ、「自分の限界を知り、適切にコントロールできる強み」を得たとも言えます。

再就職を成功させるコツは、以下の優先順位を守ることです。

  1. 体調の安定(主治医の許可)

  2. 公的支援(ハローワーク・支援事業所)の活用

  3. 「無理のない」条件での復帰(短時間・配慮あり等)

「早く戻らなければ」という焦りは、最大の敵です。まずはハローワークの専門窓口へいってみる、もしくは自宅から求職申し込みをしてみる。その小さな一歩が、新しいキャリアの始まりになります。


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